2001年1月より老人医療費新制度に


◎老人医療費の改訂の話 (01/01)
老人医療費新制度の解説(2001年1月より)
 今月から70歳以上の高齢者が病院や診療所で支払う一部負担金の仕組みが大きく変わりました。とりわけ診療所では、毎回一定額を支払う従来の「定額制」と、かかった医療費の一定割合を支払う「定率制」が混在します。分かりにくい制度となっているが、ムダな出費を避けるには、病状が軽く通院回数も少ない人は上限額が高い大病院を避ける、かかりつけの医療機関を決める-などがポイントになりそうです。

 新制度では自己負坦は原則、医療費の1割。通院は1力月当たりの上限は基本的には3,000円だが、病床数が200以上の大病院だと5,000円。負坦額を中心に考えれば、高度医療が必要な重病などを除いては、かかりつけの診療所や中小規模の病院にまずは診てもらう方が無難かもしれません。
 月額上限は原則、医療機関ごとに適用されます。同じ月に複数の医療機関で受診したときは、それぞれの上限額まで徴収され、支払いが増えるケーズが出でてきます。一方、一つの病院の中で内科と複数の科にかかっても、その病院の上限が適用されます。この点では、別々の病院にかからない方が有利です。
 ただし一つの病院で一般診療と歯科診療を受けると、別々に月額の上限を適用して計算されます。
 診療所は知事に届けた場合に限り、1回800円の定額(上限3,200円)を選択できます。昨年末までは1回530円だつたので通院1回ごとに270円の負担増になる計算だが、前もつて支払う額が分かり、薬代の別途負担がないメリットもあります。定額と定率の別や月額上限は、医療機関の窓口に貼られるポスターや、市町村窓口などで確認できます。
 また、定率制の医療機関では、医師から薬の種類や分量を指示した「処方せん」をもらうと、途端に月額上限が半額になります。
 例えば大病院なら、処方せんが出ると上限は5,000円の半分、2,500円になり、残りの半額は薬局で薬を買うときの上限になります。月初めの受診で処方せんなしに上限の5,000円を突破、2回目の受診で処方せんが出たときは、差額の2,500円を病院側が払い戻します。
 一つの病院からもらった複数の処方せんを、別々の薬局に持ち込むのは避けたほうがよさそうです。 薬局同士で横の連絡を取るのは事務的に難しく、薬局ごとに上限額が適用されるためです。
 入院の月額上限は37,200円。市町村民税非課税など低所所得の高齢者は24,600円。低所得者で老齢福祉年金受給者は15,000円、血友病など長期特定疾患患者は10,000円となります。
 入院時の食費の自己負担は1日当たり20円増えて780円。低所得者は従来通り、90日まで同650円、91日目から500円で据え置かれます。
 

高齢患者さんの通院一部負担金の月額上限
2001年1月1日から、高齢者(老人保健制度加入者)の窓口負担額が変更されました。
診療所に通院の場合
負担方式
処方箋発行の
有無
診療所での
負担上限額(月)
調剤薬局での
負担上限額(月)
定率1割負担
あり 1,500円 1,500円
なし 3,000円
定額負担
(1日800円月4回)
あり 4回(3,200円) 負担なし
なし 4回(3,200円)
*注:山田歯科医院は上記の定額制です 
 
病院に通院の場合
負担方式
処方箋発行の
有無
病院での
負担上限額(月)
調剤薬局での
負担上限額(月)
定率1割負担
(200床未満)
あり 1,500円 1,500円
なし 3,000円
定率1割負担
(200床以上)
あり 2,500円 2,500円
なし 5,000円
   
入院の場合(診療所・病院とも)
定率1割負担になります(月上限額37,200円)
入院時食事負担は780円(1日)に引き上げられます。
 
70才未満上位所得者は倍に
 今回の医療保険改革では70歳以上の医療費が注目されているが、70歳未満も「上位所得者」という区分を新たに設けるなど支払う額の基準は大きく見直されました。医療費のうちで自己負担する割合は、健康保険組合に加入する会社員が2割、自営業者ら国民健康保険の加入者は3割で変わりません。
 同一の医療機関に支払った額が、1カ月6万3600円、市町村民税非課税の低所得者なら3万5400円を越える高額医療を受けたとき、超過分は払い戻されます。
 だが、新区分の上位所得者はこの基準額が同12万1800円と一般の倍近くで、かなりの負担増。会社員なら平均月収が56万円以上、自営業者などは同一世帯の国保加入者の所得を合わせ、基礎控除を差し引いた所得が年670万円を超える人が該当します。
 さらに、1力月の医療費が一般で31万8000円、上位所得者なら60万9000円を超えると、上回った分の1%を加算される点。低所得者は加算がありません。
 同一世帯で同じ月に3万円(低所得者は2万1000円)以上の自己負担が複数あれば、合算して限度額を越えた額が払い戻されます。
 また、直近12カ月間に高額医療の回数が4回以上になると、4回目からは一般で3万7300円、上位所得者で7万800円、低所得者は2万4600円を超えた額が払い戻されます。
高齢患者の通院一部負担金の月上限額
<処方箋をもらったら> <複数の病院・診療科で受診したら>
交付した病院ごとの上限が適用される 上限は病院ごとに適用
    →→→→
病院
  +処方箋→
→→→→→2,500円
外科

内科


→→5,000円


A病院
+同じ月に受診 5,000円X2=1万円
B病院
薬局
→→2,500円
+同じ月に受信
  +処方箋→
病院
    →→→→
薬局
→→2,500円
→→→→→2,500円 計1万円
 
定額診療所は別途負担ゼロ 同じ病院でも医科と歯科は別
    →→→→
定額
医院
    処方箋→
→→→→→3,200円
医科

歯科

→→5,000円
      +
→→5,000円 計1万円
薬局
→→無料    計3,200円
 
同じ薬局を利用しないと負担増 凡     例
    →→→→
定率
医院

処方箋→

処方箋→
→→→→→1,500円
大病院
 
(200床以上)

中小病院
・医院

薬局


月額上限(医療機関へ支払い)
月額上限(薬局へ支払い)
薬局
→→1,500円
薬局
→→1,500円 計4,500円

北海道新聞2001年1月10日より引用改変