3.なぜ歯周病になるの?
 
家庭の歯学 お口の健康ガイド 

1.患者さんへお願いします
2.なぜ虫歯になるの?
3.なぜ歯周病になるの?
4.小さなむし歯はこう治す
5.なぜ歯を抜くの?
6.なぜクラウンやブリッジにするの?
7.なぜ義歯にするの?
8.なぜブラッシングするの?
9.エイズはこわくない

正常な歯肉
歯肉が赤くふくれあがり出血する
歯肉が下がり歯が露出して長くみえる
左が正常な歯肉・骨の位置で、右が重度の歯周病に進行した歯肉・骨の位置
 私たちの歯は、顎の骨の中に埋まっています。目に見える部分が歯冠部で、それを歯の根の部分(歯根部)が顎の骨の中で支えているのです。その支えている骨の周りを守っているのが歯肉(ハグキ)です。歯周病(歯槽膿漏など)とは、その歯肉や骨が悪くなる病気です。歯周病はむし歯と違って、症状がひどくならないとその病気にかかっていることが分かりにくい病気です。初期のものはブラッシングなどでコントロールできますが、重症になると歯を抜いたり、手術が必要になってきます。

  健康な歯肉は、淡いピンク色をして引き締まっています。歯周病にかかると、歯肉が赤く腫れる。歯肉から血が出る。口臭がするようになる。歯と歯の間にすき間ができる。歯がグラグラしてくる。歯肉が下がって、歯が長く見えたりする、といった症状があらわれてきます。

  歯みがきを怠ると、歯の周りに目では見えない薄いネバネバした膜がつくられます。この膜が食べ物のかすと一緒に歯の表面に吸着します。これが歯周病の原因と言われているプラークです。プラークは口の中で、細菌の活動などにより黒っぽいザラザラした歯石に変わります。歯石ができたら歯科医院で専門の器具を使って取ってもらうしかないのです。この歯石が大きくなり歯肉と歯肉の間の組織を破壊して、歯周ポケットと呼ばれる深い溝をつくります。そうなるとさまざまな症状があらわれて、ついには歯を抜かなくてはならなくなります。

  歯周病を予防し治療するためには、あなたと歯科医師・歯科衛生士との協力が必要です。歯科医師や歯科衛生士の指導により、正しく歯をみがいてプラークを付けないことが歯周病の予防になります。また、定期検診の度毎に歯石を取ってもらうのも良い予防法の一つです。